二日酔い時の運転は?

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二日酔い?それでも仕事は休めません。
日本人ですから(涙)

しかし二日酔い時に自動車や自転車の運転をすることは問題ないのでしょうか?

飲酒運転にならないか?

Drunk driving

二日酔いの朝はアルコールが抜けていないと考えていいでしょう。
アルコールの分解が追い付かなくて二日酔いになっているわけですから、体内からアルコールが完全に抜けていると考えるのは少々無理があります。

その証拠に息や体臭が酒臭いはずです。これは血液中にアルコールが残っているからです。

アルコールの分解能力は体重1kgに対して1時間に純アルコール0.1g程度といわれています。
対してビール500ml(5%)の純アルコールは20g、日本酒1合(180ml、15%)の純アルコールは21.6g程度です。

体重60kgの場合、1時間で6gのアルコールを分解できるため、500mlのビールを2杯、その後日本酒2合を飲んだだけでアルコール分解に14時間かかってしまいます。すなわち夜10時に飲み始めたのであれば、次の日の昼12時までアルコールが残っていることになります。

すなわち二日酔いの朝は酒気帯び運転になる可能性が十分にあるのです。

そして注意しなくてはいけないのが、アルコールの分解能力には大きな個人差があり、さらに体調でも変わることです。肝臓の調子が悪い時はアルコールはなかなか分解されません。このため、いつもより飲む量が格段に少なかったとしても二日酔いを起こした時点で飲酒運転となる可能性が高いと言えます。

実際に前日夜の飲酒で翌日に酒気帯びで捕まる事例が多々あります。
極端な例ですが、飲んだ翌日夕方に呼気アルコール検査で0.6mg/lという高い数値が検出されたという交通事故がありました。実はこの人は肝硬変を起こしていたのです。この0.6mg/lというアルコール濃度は飲酒直後相当の数値であり、この状態で運転をしていると「酒気帯び」ではなく「酒酔い」として厳しく罰せられます。

遺伝的にお酒に弱い人が二日酔いになった場合も同様に翌日一日中はアルコールが残っていると考えた方が良いでしょう。

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そして忘れてはいけないのが、自動車保険は酒気帯びを含む飲酒運転では免責事項があることです。
事故を起こしても運転手、搭乗者、自車両に関する保険金が支払われません。もし子供を乗せて電柱に突っ込み大破しても保険金がおりないということです。
※被害者側の保険金は被害者救済の理念に則り支払われます。

さらに車同士の事故の被害者であっても飲酒運転をしていた場合は過失が大きいと判断されてしまいます。
そもそも飲酒運転は禁止されているのですから当然です。

もし出勤時に事故を起こし、飲酒運転と判断された場合は会社から解雇される恐れもあります。
就業規則に「飲酒運転は解雇」「飲酒運転いよる事故は解雇」と明記している会社は珍しくありませんので一度確認してみましょう。

このようにアルコールが残っている二日酔い状態で自動車を運転すると事故を起こしやすく、かつ社会的に非常に不利な立場に追い込まれます。

二日酔い時の運転は絶対にしないでください。

職業運転手の場合

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近年、飲酒運転による事故の多発を受けてトラック・バス・タクシーなどの職業運転手に「運転前のアルコール検知器による検査」が義務化されました。(2011年5月1日より)

呼気1L中のアルコール濃度が0.15mg以上になると酒気帯び運転となりますが、職業運転手の検査では「アルコールを検出しないこと」という厳しい内容になっています。勤務前にアルコール検査機で確認し、これをクリアできない場合は運転が許可されません。
当然ながら二日酔いの場合は必ず検査で引っかかります。

もしこの検査に引っかかると予定していた仕事を急遽キャンセルすることになるため、自分だけでなく会社や取引先にも多大な迷惑がかかります。このため厳しい罰則が設けられています。謹慎処分となり数回繰り返すと解雇というところが多いですが、中には一発で即解雇という厳しい会社もあります。

各運転手はこの検査をクリアするためには「前日の夕食以降は飲まない」「早い時間ならチューハイ2杯まで」など厳しいルールを定めているようです。もちろんこれでは二日酔いにはなりません。

これが運転のプロの対応です。

 

自転車もダメ

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鼻歌交じりに自転車をこぐ酔っぱらいのオッチャンを見るとどことなく昭和の風情を感じてしまいます。当時はあまり(というかほとんど)自転車の飲酒運転に関しては取り締まりをしていなかったのです。このため今でもお酒を飲んで自転車で帰る人が多く見受けられますが、実は自転車の飲酒運転も道路交通法で禁止されています。

年々自転車の飲酒運転に関する取り締まりが厳しくなっているのはご存知のとおりです。

まずは道路交通法を見てみましょう。

道路交通法より

(酒気帯び運転等の禁止)
第六十五条  何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

(酒酔い運転の罰則)
第百十七条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

(酒気帯び運転の罰則)
第百十七条の二の二  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

ポイントは車両等と軽車両です。
自転車は軽車両に属し、車両等に含まれます。
参考までにリヤカーや人力車、乗馬の馬も軽車両です。

簡単にまとめると、
道路交通法上は自動車同様にお酒を飲んで自転車を運転することを禁じています。
ただし酒気帯び運転の罰則は「軽車両を除く」として排除されています。
しかし正常に運転できないと判断されると「酒酔い運転」として扱われ、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。

※2013年10月20日に確認した内容です。
頻繁に改正されていますので、最新の道路交通法は以下のURLでご確認願います。
道路交通法

特に飲酒と自転車については年々厳しくなる方向で改正されていますのでご注意ください。

実際の取り締まりはどのようにされているのでしょうか。
ネットで報告されている体験談を調べてみました。
必ずしもこのような結果になるわけではありませんので、参考程度にとどめておいてください。

警察に止められてもキチンと交通ルールを守っており、シラフ同等に運転や受け答えが出来る場合は厳しく注意を受けてから開放されることが多いようです。しかし事故や口論などのトラブルを起こしている場合は罰則がある「酒酔い運転」として扱われます。急に相手が飛び出して来て避けようがない事故でも酒酔い運転とされてしまうこともあります。そもそも禁止されている飲酒運転をしているのですからやむを得ないのかもしれません。さらに警察に毒づいたり呼びかけを無視した場合も厳しい扱いになる傾向があります。

以上がネットで調べた最近の取り締まり状況です。

このように自転車の飲酒運転も自動車同様に危険であり罰則もあります。

飲酒時・二日酔い時は自転車も運転は避けましょう。

 


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