水に溶かせば出来上がり!? 粉のお酒

wine_01_b

アルコールの気化温度は水より低いため、お酒を熱するとアルコールから蒸発してしまいます。
当たり前ですがお酒に熱を加えても粉末にはなりません。

しかし世の中にはお酒の香りとアルコールを残したまま水分だけを取り除いて粉末状にしたものが存在します。これは「粉末酒」と呼ばれるもので世界で唯一日本企業が製造しています。

製造しているのは佐藤食品工業という愛知県の会社で、お茶や果物などの風味を取り出して粉末化する技術を有しています。この佐藤食品工業が従来不可能であったお酒から水分のみを取り除く技術を開発し、それにより出来上がったのが「粉末酒」です。

●佐藤食品工業
http://www.sato-foods.co.jp/product/liquor.html

粉末酒はアルコールをデキストリンなどの水溶性物質で内包することで保持し、水分を取り除くことで作られています。この製法は世界主要17カ国で特許を取得しているそうです。

製品には梅酒、ウォッカ、ラム、ブランデー、ワイン(赤、白)、清酒、みりんと数多くの種類が用意されています。これを水に溶かすともとのお酒に戻るというわけです。

実際の用途としてはお菓子や加工食品、酒風呂の入浴剤などに使われています。

 

粉末酒が使われている商品は以下の様なものがあります。

kracie_tamago_zake

●おいしいたまご酒(クラシエ)

アルコール度数は0.73%と低いため、お酒ではなく食品扱いとなります。

KitKat_Rum_Raisins_01

●キットカット ラムレーズン(ネスレ)

粉末酒を0.18%使用しています。

 

残念ながら粉末酒そのものは一般向けに市販されておらず、業務用として10kg~15kg単位での販売になります。

ウェブサイトによると粉末酒31gで度数12%のお酒が1リットルできるそうです。
小袋で販売していたらお菓子作りだけでなく、登山用に非常用にと便利だと思うのですが需要がないのでしょうか。
是非お願いしたいですね。

 

 


Sponsored Links