そもそも「酔い」って何?

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そもそも「酔う」という症状は何なのでしょうか?
なんだか楽しくなったり、気持ちが大きくなったりと明らかに普通ではありません。二日酔いを知る前に「酔い」の仕組みについて勉強しましょう。

飲んだお酒の行方

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お酒を飲むと、アルコールは胃と小腸で吸収され血液中に溶け込みます。次にこのアルコールを含んだ血液は門脈という太い静脈を通り肝臓に送られます。肝臓は体内に取り込まれた毒物を解毒する臓器ですが、アルコールも毒物として扱われここで分解・無毒化されます。
しかし肝臓が分解できる量は限られており、大半のアルコールはそのまま血液に残ります。そしてアルコールは血液に乗って心臓を経由し、全身に送られます。脳に達したアルコールにより脳の麻痺し機能が欠落する、これこそが「酔い」の正体なのです。
お酒を飲んでまず最初に麻痺するのは大脳新皮質です。大脳新皮質はより人間らしい行動のための理性や判断力・想像力などを司(つかさど)ります。この部分の活動が弱まると生物本来の本能が表に現れやすくなります。酔うと感情的になったり攻撃的になったりとその人の本性が見えてくるのはこのためです。次に運動を司る小脳が麻痺すると千鳥足となり、さらに記憶を司る海馬が麻痺すると記憶がなくなるというわけです。

更に飲み続けると

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更に飲み続けて血液中のアルコール濃度が上昇すると、最後は生命維持の機能を司る脳幹が麻痺してしまいます。脳幹が麻痺すると体温が維持できなくなり、最終的には呼吸と心臓が停止します。
いわゆる急性アルコール中毒です。ドラマなどで瞳孔にライトを当てて反応するかを確認し死亡判定をしていますが、この瞳孔の反応を司っているのも脳幹です。
この脳幹が麻痺してしまうのですから非常に危険な状態といえます。意識を失い呼びかけに反応しない場合は最悪の事態の一歩手前まで来ています。
さらに悪いことにお酒を飲んでから脳にアルコールが届くまでタイムラグがありますので、倒れている間も血液中のアルコール濃度が上昇し、脳の麻痺が進行する可能性もあります。このような時には迷わず救急車を呼んでください。


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