二日酔いになるための薬がある!?

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絶対に二日酔いにならない薬、二日酔いを一瞬で治す薬。
あったら便利ですよね。
でも確実に悪酔い・二日酔いになるための薬があるのはご存知でしょうか。
わざわざ苦しい思いをするその理由とは?

意図的に悪酔い・二日酔いになる理由

アルコール依存症

これはアルコール依存症の治療として使われています。
抗酒薬、抗酒剤、嫌酒薬、嫌酒剤などど呼ばれている薬です。これを服用すると肝臓でのアルコールの分解が抑制されて二日酔いの主原因であるアセトアルデヒドが急速に体内に蓄積されます。
このため少しでもアルコールを摂取するとすぐに頭痛・吐き気などの悪酔いの症状がでます。
これにより飲酒を断念させるという仕組みです。どんなにお酒に強い人でもこの薬を服用するといわゆる「下戸」になってしまい、奈良漬け・ブランデーケーキ・ドリンク剤・胃腸薬液・洗口剤でも悪酔いをしてしまうほど効果があります。
※以前は慢性アルコール中毒、略してアル中と呼ばれていましたが、中毒という言葉には「摂取しすぎて健康障害を起こしている」という意味が強いため、最近では「摂取する欲求を止められなくなる」ことを意味する依存症という言葉に変えられています。

どんな薬があるの?

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薬名としては「シアナマイド」「ノックビン」が有名です。
どちらも入手には処方箋が必要です。
使い方によっては非常に危険な薬ですので、本人がアルコール依存症として治療を受けていてさらに自ら治す意志がなければ入手はできません。
このシアナマイドの成分「シアナミド」はもともと農薬として使われていたもので、その農薬工場で働く従業員が極端にアルコールに弱くなったことから抗酒薬としての効果が発見されました。今から約100年前の1914年の出来事です。
ノックビンもタイヤ工場で使われていた薬品が元になっています。こちらも同様に従業員がアルコールに極端に弱くなる症状を訴えたことから1948年に発見されています。
なおシアナミドは現在も農薬として使われており、これを散布後に飲酒すると危険と言われています。(使われているカルシウムシアナミドははじめは農薬として機能し、その後分解されると肥料になり毒性を残さないという変わった特徴を持っています。)
これらは「飲酒したいという欲求」と「飲んだときの不快感」を天秤にかけて我慢するという方法ですが、最近はその欲求自体をなくしてしまう薬が発売されています。

「お酒を飲みたい」という欲求をなくす薬?

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その薬とは「レグテクト」という断酒補助薬で、ドイツで開発されたものですが2013年5月から日本でも発売されています。
成分がアルコール依存により活発化したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで飲酒に対する欲求を減らすというものです。
この薬の入手も医師による診察が必要です。ただしあくまでも補助薬で治療として断酒をしている人に訪れる飲酒欲求を軽減するために使われています。
この薬さえ飲んでいればアルコール依存症が治るというものではありません。

二日酔いからアルコール依存症になる人

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悪酔い・二日酔いを起こしやすくしてアルコール依存症を抑えこむという薬を紹介しましたが、二日酔いがキッカケでアルコール依存症になる人もいます。
二日酔いの朝に頭痛などの不快感をごまかすための迎え酒、これは確かに効果があるのですがこれを繰り返すと一日中体にアルコールが残っていることになります。
そうです。じつはこれがアルコール依存症の第一歩なのです。アルコール依存症は他のケガや病気と異なり医師任せで治るものではなく、自分の欲求に打ち勝つ強い意志が必要となります。このため完治しづらく、さらに再発しやすいのです。
お酒はほどほどに、二日酔いをしたら反省を。

 

 


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