飲む前に出来る二日酔い対策

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お酒を飲むその前にしっかり準備をしておくと二日酔いを高確率で避けることができます。

どんな方法があるのでしょうか。

空きっ腹にお酒は厳禁

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「おつかれー」
仕事帰りの空きっ腹にビールを流し込む爽快感は何事にも耐え難い至福の時間です。でも実はコレ、二日酔いによくありません。空っぽの胃や腸にお酒だけを流し込むと、他に内容物がないためにアルコールを急速に吸収してしまいます。取り込まれたアルコールは肝臓に送り込まれ分解されますが、肝臓は一定時間に決められた量しか分解することが出来ません。例えばビール350mlを分解するのに2時間20分程度かかると言われるほどの能力しかないのです。乾杯後に生中2杯3杯と流しこむと肝臓はいきなりフル回転で働き出しますが分解処理が全く追いつきません。こうして残った血液中のアルコールが全身に送られ、その一部が脳を麻痺させると酔いの症状が発生します。
おそらく10分もすると顔が赤らみ酔いの症状が出てくるでしょう。ただし、ここまではあくまでも「酔い」を引き起こす過程です。問題はこの次、追いかけるように血液中に別の物質が増えてきます。
二日酔いの元凶「アセトアルデヒド」です。二日酔いを経験したことのある人なら【アルコールをアセトアルデヒトに分解する能力】 > 【アセトアルデヒドを酢酸に分解する能力】と考えていいでしょう。alcoholysis_15このため飲み続けると血液中のアセトアルデヒド濃度は上昇し続け、これが限度を超えると悪酔いや二日酔いになります。そしてどのタイミングで二日酔いになるかはその人の持つアセトアルデヒドの分解能力(=アセトアルデヒド脱水素酵素「ALDH」の能力)に依存します。

ではどうしたらいいか

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乾杯前に何が胃に入れておきましょう。
胃の中の食物が入ることでアルコールの吸収速度が遅くなり、血液中のアルコール濃度の上昇速度が穏やかになります。これで急激に酔いが回ったり悪酔いしにくくなります。
また食事は通常2~3時間胃に留まるため、満腹感でお酒のペースも自然と落ちる効果もあります。具体的には飲み会の前に軽く食事をしておくといいでしょう。
それが出来ない場合はお菓子をつまむことでも効果があります。
これは出来るだけ酔いたくない人にもオススメの方法です。

牛乳を飲めと言われていましたが

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「酒に弱い人・酔いたくない人は飲み会前に牛乳を飲めばいい」
これは有名な対策ですが、現在ではあまり有効ではないという意見が多いです。
この方法は「胃に牛乳の膜ができるため、アルコールを吸収しにくくなる」と言う説明がされていますが、飲んだお酒でこの膜が洗い流されてしまいます。そもそも膜でアルコールを防ぐこと自体に医学的科学的根拠がないとする人もいます。
どちらかと言うと飲む前に何かを胃に入れておくという意味でいくらかの効果はありますが、であれば軽食のほうがより効果があると考えます。

チーズがいいと聞きましたが

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「飲み会の前にチーズ」もよく聞きます。
チーズには多くのタンパク質と脂質が含まれています。
これらは消化吸収されにくい性質を持っており胃腸に長い時間留まるためにアルコールの吸収を穏やかにします。

タンパク質と脂質が多く含まれる食材は消化されにくいために「腹持ちがいい」と言われています。逆に「腹持ちがいいもの」というキーワードで好みの食材を探すという方法もあります。飲み会の前には食べるものではありませんが肉類もこれに該当します。

体調を整える

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いくらお酒に強くても体調を崩していると肝臓の活動も低下してしまいます。
私自身はアルコールに強い体質なのですが、過労と夏バテでで体が弱っていたときにビール数杯でひどい頭痛が起きてそれ以上飲めなくなったことがありました。おそらく肝臓も弱っていてアルコールを分解できなかったのでしょう。
下戸の方の気持が少しだけ分かった出来事でした。飲み会を楽しんで二日酔いを避けたいのであれば、前日の深酒や夜更かしなどを止め体調を整えましょう。
肝臓にダメージを抱えたままで飲み会に突入することは危険行為です。

胃腸をいたわろう

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飲酒時には大量の液体を胃に流しこむことになるので胃酸が薄まり消化不良を起こしやすくなります。
また胃粘膜が薄くなるため自身の胃酸により胃壁もダメージを受けてしまいます。このために飲酒後は胃のもたれ・むかつきなどの症状が出やすくなるのです。
二日酔いの症状の中に「吐き気」「むかつき」がありますが、単にアセトアルデヒドによるものだけではなく胃腸の不調も加わっていることを忘れてはいけません。そこで胃薬です。
胃薬を飲んでおくと壊れた胃壁を修復し胃粘膜の分泌を高め、さらに胃の活動を活発にする効果があります。普段から胃が弱い方も事前に服用しておくと翌日の不快感を減らすことが出来ます。
ただし一点注意が必要です。胃薬・胃腸薬には飲酒時に飲めないものがあります。
例えば同じ第一三共ヘルスケアの胃腸薬であっても第一三共胃腸薬プラス細粒では
特に飲酒時の服用については何も書かれていません。
しかしガスター10では
「本剤の服用の際は、アルコール飲料の摂取は控えてください。」
と明記されています。
「飲む前に(胃腸薬を)飲む」とすっかり刷り込まれてしまいましたが、飲酒時に飲める胃腸薬と飲んではいけない胃腸薬があることを忘れないでください。

肝臓をいたわろう

Human Liver Anatomy in X-ray View

肝臓の活動を高める効果がある成分には以下のようなものがあります。
呑兵衛の間では通称「ドーピング」と呼ばれているドリンク剤から伝統的な食べ物までピックアップしました。
是非参考にしてください。

● ウコン

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ウコンの成分であるクルクミンは肝臓の働きを改善すると言われています。
ウコンとはターメリック、沖縄では”うっちん”と呼ばれるショウガ科の植物です。
最近はコンビニでも「ウコンの力」などウコンを含んだ清涼飲料水や医薬外品などが販売されています。

● ヘパリーゼ

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ゼリア新薬の商品ですが、哺乳動物の肝臓から作られた肝臓水解物を配合したもので、これが肝臓の働きを助けることで結果的にアルコールの分解を促進するというものです。
医薬品・清涼飲料水・補助食品とバリエーションが多く、一部はコンビニでも購入が可能です。
ネットを調べる限り「効果アリ」という報告が多いようです。

● タウリン

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栄養ドリンクのCM「タウリン〇〇mg配合!!」でお馴染みのタウリンですが、実は肝臓にもいいのです。
タウリンは牡蠣・タコ・イカ・アジなどの魚介類に多く含まれます。胆汁酸の分泌を促し、肝臓の機能を活発にさせる効果があります。また肝臓細胞の再生促進も行います。
※胆汁酸とは脂質の消化を促進する役割をします。
疲れたらというより、お酒を飲む前に摂取すると効果的と言われています。

● オルチニン

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最近ウコンとともに知名度が上がってきたのが「シジミ」です。
シジミにはオルチニンをいう成分が多く含まれ、これが肝臓に良いとされています。

体内のアンモニアの分解が滞ると疲れが溜まりやすくなります。オルチニンは体内で発生する有害なアンモニアを分解する肝臓の手助けをし、これによりエネルギーの生産性を向上させます。

このオルチニンのエネルギー生産性向上と肝機能向上の効果が二日酔いの予防と解消に役立つと言われています。


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